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Course 6
松井みどり 連続講義 「言葉、物、自己と他者:1960~70年代の写真、現代美術、ダンスにおける現実との接触」
INSIGHT: IMA PHOTO SCHOOLでは、講師に美術評論家の松井みどりさんをお迎えし、【連続講座】「言葉、物、自己と他者:1960~70年代の写真、現代美術、ダンスにおける現実との接触」を開講します。写真や美術を学んでいる方、ご興味のある方だけでなく、広く、身体表現にご興味のある方のご参加をお待ちしております。

2016年8月9日をもちまして、当ワークショップクラスの単発受講を含むお申し込みは締め切らせていただきました。
講師:松井みどり(美術評論家)
東京大学大学院英米文学博士課程満期退学、プリンストン大学より比較文学の博士号取得。国内外の美術学術誌や企画展カタログに同時代の日本や英米の現代美術の潮流や作家について論文を寄稿。執筆カタログは、『Super Rat: Chim↑Pom』 (パルコ出版., 2012); 『Ryan Gander: Catalogue Raisonnable』 Vol. 1 (フランコ・フィッツパトリック出版, 2010); 『Ice Cream』( ファイドン, 2007); 『Copyright Murakami 』(ロサンゼルス現代美術館, 2007); 『Little Boy: the Art of Japan's Exploding Subculture』 (ジャパン・ソサエティ、エール大学出版部, 2005)。著書に『芸術が終わった後のアート』(朝日出版、2002)『マイクロポップの時代:夏への扉』(2007年、水戸芸術館)、『ウィンタ−ガーデン:日本現代美術におけるマイクロポップ的想像力の展開』(2009年、原美術館)。多摩美術大学非常勤講師。
  当講座にお申し込みいただいた方に事前に講義シラバスを送付開始 >
当講座へお申し込みいただいた方には、講師・松井みどり作成による、当講座の事前配布資料、各回の講義の詳細を記載したシラバスを事前に送付させていただきます。
シラバスを講義初日までにご参照いただければ、さらに有意義な講義の場となることと思います。

【講義シラバス:内容】
(1)講座の主題 (2)各回の内容要約 (3)各回で用いるテキスト、ならびにイメージの紹介 (4)講座の参考書籍リスト
 ※[講義シラバス]はお申し込みされた方にのみ送付させていただきます。
 ※ 7月3日(日)までにお申し込み済みの方には、用意が出来次第、メールにて順次送付をさせていただきます。


講座開催に向けて
1960年代は、写真や美術、ダンスにおいて、新しい「前衛」の意識と方法が生まれた「コンテンポラリー」の原点とも言える時代です。第2次世界大戦前の「前衛」芸術が、絵画や彫刻の新たな様式の発明という美学的基準によって主に評価されていたのに対し、戦後—主に1957年から72年の間—に台頭した前衛芸術は、激変する世界に反応し、虚偽や幻想から離れて世界をありのままに認識し、人が人らしく生きる為に芸術(写真)家は何をなすべきかを問う、哲学的、実存的傾向を強めました。

前衛としての現代美術家や写真家は、人間の主観の物質世界への押しつけである世界像、その図像化としてのイメージや、物語への疑いを表し、断片、過程、モノそのものといった、従来の芸術表現の領域外に置かれていた要素を拾い上げ、時にはその様態と同化することで、世界と自己、自己と身体との有機的繋がりを回復しようと試みました。その方法や目的は、写真、現代美術、ダンスといったジャンルによって分断されることなく、同時代の共通意識として共有されました。彼らは自らの方法を文章で理論的に、或いは詩的に語りましたが、その言葉はまさに生きた批評であり、戦闘理論でもあったのです。

このレクチャーシリーズでは、戦後前衛の活動における、人間中心的虚構から「ただのもの」(現実)への回帰という方向性を、作家自身の文章を通して読み解き、その作品の画像や映像を見ることによって確認することを目指します。中平卓馬、森山大道、菅木志雄、李禹煥という日本の前衛作家と、シチュエーショニスト・インターナショナル、ジョン・ケージ、フルクサスのチェアマンであるジョージ・マチューナスやポストモダンダンスの理論家/振り付け家/ダンサーである、イボンヌ・レイナーとトリシャ・ブラウンの言葉と作品をたどりながら、彼らが共有していた問題意識や方法を少しでも明らかにし、そこから現代の芸術観賞、批評、実践に生かせる思考を拾いあげることを目的とします。

現代の世界は、60年代に表出した資本主義市場の世界的拡大、大量生産と大量消費、マスメディアの影響力の強化、組織的都市化と近隣の消失といったグローバル化の傾向が拡大するとともに、インターネット普及の功罪や貧富の差の拡大、地域紛争と国家権力の絡みあいといった新たな問題も浮上し、人間生活は便利さと引き換えに窮屈さを増しています。その中で現代美術や写真も、アーカイブ化、制度化と同時にマーケットの増大が進む中で、制作すること、芸術と関わることの意義も曖昧化されているように思えます。今必要なのは、作家、批評家、観客というそれぞれの立場を超えた個人として、芸術表現や活動の生への意味を考え直すこと、つまり、自分が現象世界と接触し、生活意識を刷新することによって生きることの意味を知るために、芸術はどのような役割を果たすのか、自分なりの理解を得ることではないでしょうか。

この講座は、全7回のレクチャーとディスカッションを通して、60年代の前衛作家が抱いた、現象世界とのみずみずしい出会いや、日常の刷新と変革という、理想の原点に立ち戻り、そこから自分自身の思考や行動の糧を見出す、そのための一歩を踏み出すことの一助となることを目指します。
―松井みどり

日程・講座内容

※各回の講義は19:30~21:00(90分間)で行います。
※各回初めに、前回の内容について、聴講の方たちからのコメントを求めます。
01
2016年7月19日(火) 19:30~21:00(開場:19:15~)
「中平卓馬:世界像から断片へ;不動の視点対動き続ける無数の視点」
02
2016年7月21日(木) 19:30~21:00(開場:19:15~)
「中平卓馬:ものとの出会いと自己の事物化」
03
2016年7月26日(火) 19:30~21:00(開場:19:15~)
「森山大道:記憶と予感の間で成立する写真」
04
2016年7月28日(木) 19:30~21:00(開場:19:15~)
「ロラン・バルト:かつてあったもの、光、ジェスチャー、イメージ/ロザリンド・E・クラウス:オブジェとしての写真と痕跡」
05
2016年8月2日(火) 19:30~21:00(開場:19:15~)
「ものへの回帰と知られざる「自己」の発見: 菅木志雄:主観の外にあるものの様態の開示/李禹煥:ものを通して蘇る自己の詩的感覚」
06
2016年8月4日(木) 19:30~21:00(開場:19:15~)
「つくられた曲からただの音へ:ジョン・ケージとフルクサス」
07
2016年8月9日(火) 19:30~21:00(開場:19:15~)
「タスク、日常、身体;ポストモダンダンスの即物性:イヴォンヌ・レイナー/トリシャ・ブラウン」

開催場所

IMA CONCEPT STORE
東京都港区六本木5-17-1 AXISビル3F [MAP]
http://imaonline.jp/imaconceptstore.html

受講料

連続講座:18,000円(税別)、単発講座:3,500円(税別)

受講内容と回数

連続講座

申し込みについて

2016年8月9日をもちまして、当ワークショップクラスの単発受講を含むお申し込みは締め切らせていただきました。

・受講申し込みはWEB(クレジットカード決済のみ)、もしくは店頭でお願いいたします。
・消費税を加算した金額をお支払いください。
・納入後の受講料は、理由を問わず返金しません。

応募〆切日

連続講座:2016年7月18日(月)
単発講座:各回の開始時間前まで

定員

50名(最小催行人数:15名)